バイナリー・ハート


 元々は人工知能搭載なので、放っておいても、勝手に掃除をしてくれる。
 だがマカロンは小鳥ロボットと同じように、名前を登録した主の命令を聞くようになっている。

 ロイドの仕様では強制的に動かそうと思えば、リモコンを使用する事になっていた。
 ユイにも分かりやすいように、そんなに複雑なリモコンではない。

 しかし音声で命令できる方が、確かにユイにとっては簡単だろう。
 作るのはそっちの方が面倒なのだが。

 茶を運んできたユイがロイドの隣に座り、二人の様子に目を細めた。


「あら、随分仲良くなったのね」


 するとソータは、ひやかすような笑みを浮かべて、ユイに言い返した。


「そっちの二人ほどじゃないよ。な? ランシュ」
「あ、うん」


 突然同意を求められて、ランシュは目をパチクリさせる。
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