バイナリー・ハート
ユイは明日も早起きをしなければならない。
頭では理解しているのだが——。
「ヤバイ。止まらなくなった」
「えぇ?!」
ロイドがユイの上に覆い被さったと同時に、部屋の外からソータの大声が響き渡った。
「ねーちゃーん。ちょっと来てーっ! シャワーの止め方、わかんねーっ!」
少しの間互いに硬直して見つめ合った後、ロイドは顔をしかめてボソリとつぶやいた。
「あいつ、わざとじゃないだろうな」
ユイはクスリと笑い、ロイドの下から這い出す。
「はーい。今、行くーっ」
大声で返事をしながら、ユイは寝室を出て行った。
一人残されたロイドは、ゴロリと横になって、寂しく布団を抱きしめながら、闇の中で舌打ちした。