バイナリー・ハート
6.来訪(3)
閉店時間になり結衣が店を閉めてリビングに入ると、蒼太とランシュはゲームに熱中していた。
ランシュの持つゲーム機の画面を、蒼太が横から覗き込んで、あれこれ指示を出している。
どうやらACアダプタの改造は、成功したらしい。
結衣はキッチンに入り、朝冷蔵庫に入れておいた卵白でマカロンを作った。
オーブンをセットしてリビングに戻ると、二人は先ほどと変わらずゲームを続けていた。
先ほどから、すでに三十分は経過している。
いつから始めたのか知らないが、よく飽きないものだと感心する。
結衣は側まで行って、覗き込んだ。
「何のゲームしてるの?」
ゲームに集中しているランシュの代わりに、蒼太が顔を上げて答えた。