バイナリー・ハート
ロイドが蒼太を連れて仕事に出かけ、またランシュと二人きりの昼間が戻って来た。
マカロンが掃除をしてくれるようになったので、結衣は今までより多くのお菓子が作れるようになり、一日に受け付ける予約数も二つまでに増やした。
ランシュも掃除をしなくてよくなった。
これまでは蒼太の相手をしてもらっていたが、今日からはヒマになる。
お菓子作りを手伝うよりは、機械いじりをしている方が楽しそうなので、ロイドに何かやる事がないか訊いておいた。
とりあえず今日のところは何もないので、ランシュには店の陳列ケースの拭き掃除をお願いした。
久しぶりにロイドが早く帰ってくると思うと、なんだかウキウキそわそわしてしまう。
それが顔に出ていたらしく、ランシュが笑いながら指摘した。
「なんか楽しそうだね、ユイ」
「え? そう? そんな風に見える?」
とぼけてみせると、ランシュが吹き出した。