バイナリー・ハート
ロイドはホッと息をつき、結衣の方へ顔を向ける。
「ユイ、ローザンに連絡しておくから、ランシュを診てもらってくれ」
「うん」
ランシュがいない今の内に、ロイドに伝えなければ。
結衣はテーブルの上の小鳥を手に取り、ロイドに差し出した。
「ロイド、時間がある時でいいから、この子をみてあげて」
ロイドは小鳥を受け取り、不思議そうに尋ねる。
「どうかしたのか?」
「うん。昨日ね、私が転びそうになった時、ランシュが支えてくれたんだけど、その時ちょっと腕を強く掴まれて、私思わず痛いって言っちゃったの。そうしたら、この子が勘違いしたのか、ランシュをつついたのよ」
「何?」