バイナリー・ハート
「うん。熱かったよ。センサがついてるから感じるんだ」
「そうなの?」
「だって人間なら、そんなの当たり前でしょ? ロボットだってバレたらやばいしね。ほら、オレって違法だから」
「そうね……」
思っていた以上にランシュの身体は、見た目だけでなく中身も精巧に作られているらしい。
これでは、ランシュと少し距離を置いていたロイドが、気付かないのも無理はない。
再びぼんやりと中空を見つめたランシュに、結衣は単刀直入に問いかけた。
「ねぇ、ロイドと何かあったの?」
ランシュは少し悲しそうに苦笑して答えた。