バイナリー・ハート
玄関の扉を開けると、ユイが笑顔で出迎えてくれた。
意外な事に、ランシュも平然と笑顔で挨拶をする。
ユイがいるからかもしれない。
久しぶりに三人で夕食を摂る。
当たり前のように食事をするロボットが、なんだか不思議だ。
人間そっくりに作られていると言っていたので、当然なのだが。
食事をしながらユイと雑談をするランシュに、ロイドは唐突に声をかけた。
「ランシュ、食事の後、話がある」
「はい」
ランシュは少し驚いたような表情で返事をした後、お伺いを立てるようにユイの方を向いた。
ユイは笑って頷く。
「大丈夫よ。後片付けは私がするから」
「ごめんね」