バイナリー・ハート
ロイドは苦笑しながら、ユイの頭を撫でる。
するとユイは、興味深そうに上目遣いで見上げた。
「で、仲直りできた?」
「あぁ」
「よかった」
ユイはホッとしたように笑った。
明日になれば、ランシュはもういないかもしれない。
そして二度と会えないのかもしれない。
嬉しそうな笑顔に胸が痛くなり、ロイドはおもむろにユイを抱きしめた。
「ユイ、もしもオレが間違った選択をしたとしても、おまえだけは見捨てないでいてくれるか?」
ユイはロイドの背中に腕を回し、強く抱きしめ返す。
「当たり前じゃない。世界中の人が、あなたを非難しても、私はずっとあなたの味方よ」
ユイの優しさと温もりに胸が熱くなり、ロイドはしばらくの間、ユイをきつく抱きしめた。