バイナリー・ハート
「いや、ここにいる」
「え?」
呆然とするフェティの前に、ロイドと入れ替わりにランシュが立った。
ランシュの横から眺めていると、フェティの目が益々見開かれる。
「本当に、ランシュなの?」
ランシュはフワリと微笑んで挨拶をした。
「はい。お久しぶりです、副局長」
「いったい、どうやって……」
フェティもロイドと同じ疑問を持ったらしい。
「えーと、それは……」
ランシュは困ったように口ごもりながら、ロイドを見つめた。