バイナリー・ハート
ランシュとはこの二年間の経緯について、口裏を合わせてある。
今後のことを考えると、ユイにも話しておいた方がいいだろう。
科学技術局に戻ることを知って心配していたところを見ると、ランシュが違法なロボットであることは知っているようだ。
いう事を聞かないランシュが、黙っていたかどうかは疑問なので尋ねた。
「おまえ、どこまで知っている?」
ユイは気まずそうに、上目遣いで見つめて白状する。
「えーと……ランシュの事なら、大体……」
そして慌てて補足した。
「ランシュを怒らないでね。私が、ついつい色々訊いちゃったから」
「そんな事はしないし、する資格もない。オレはすでに犯罪者だ」