バイナリー・ハート
「免職になったオレが局に戻ったって、監禁されるだけでしょう? 無理矢理戻したって、また抜け出しますよ。オレを野放しにするより、手元に置いた方が、あなたにとっても都合がいいんじゃないですか?」

「オレがいない昼の間、復讐を企んでるおまえとユイを二人きりにできるか」


 そう言ってロイドが睨むと、ランシュはおもしろそうに声を上げて笑った。


「まだ企んでませんよ。それにしても、あなたにとってユイは相当大切な存在なんですね。いい事聞いちゃったかな」

「ユイを傷つけたら、ただじゃおかない」


 ロイドがすごんで見せても、ランシュは益々クスクス笑う。


「そんな事はしません。オレもユイは気に入ってるんですよ。人妻だって聞いた時には、ちょっとショックだったくらいにはね。まさか、あなたの妻だとは思ってもみませんでしたけど」

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