【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱




 少女は、狼の背に跨った。





 幼い少女は狼の背から木の枝へ飛び移る。



 同い年の子供たちなら、まだ走るのが精一杯だろう。




 少女の育ちは、並の育ち方とは大きく異なっているからだ。




 絶滅したとされる狼の末裔に育てられ。




 自らを狼だと信じ切った、



 狼の少女。





「父様だ!ルーク、行くよ!」




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