【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱




 男は、言うなりポケットからナイフを出す。




「!」



「死にたいんだろ?」




 死にたいとは言った。だが、刺殺は嫌いだ。



 痛いから。





「殺さないで!」





 花蓮は思わず叫んだ。叫んでから、ハッとする。



 まさか、これは罠なのでは?




「死にたいの次は殺すな、か」



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