【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱




 男は、小さく笑い。




「やっぱり、生きたかったんじゃねェか」



 花蓮は、ふて腐れた。



「まあ、そんなことは最初(はな)からわかってたけどな」



「え?」



「躊躇うってことは、この世に未練があるってことだかんな」




 未練?



 私の、未練って何?



 花蓮は、首を傾げた。



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