【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱
「え?」
「お前に何があったかは知らねぇし、無理に聞こうとも思わねェが。ひとまずここで休んどけ」
花蓮は頷いた。
家族に迷惑をかけたくないと誓ったのは花蓮自身。
なら、ここに置いてもらうのがいい。
「あ、なんかあったら、こいつに聞け」
男は、一人の青年を指さした。
青年が駆け寄ってくる。
「僕、陸です。今日からあなたの世話役になります」
陸、と名乗る青年が花蓮部屋の扉を開けた。
「寛いでください」