【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱


 奏太SIDE




 何やってるんだ、あいつ。



 俺は、二階の廊下を見上げた。



 さっき拾ってきた花蓮が座り込んで、頭をブンブン振っている。




「おい、花蓮!?」




 名前を呼んだ途端。



「しゃ、喋ったぁ!」



 悲鳴に近い声を上げ、花蓮が消えた。



 否、消えたんじゃない。後ろにそっくり返ったのだ。



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