【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱




 頭が悪い学校ほど、入学者の生い立ちを調べないから。




 花蓮の生い立ちは、決して表に出てはならない。



 もしも表に出れば、父も弟も殺され




 花蓮は再び一人ぼっちになってしまう。




 それだけは嫌だった。



 孤独。




 並の子供たちがよく気にする、親に叱られて悲しい、なんてレベルじゃない、心の痛み。




 とはいったって、花蓮もその痛みは知らない。



 一人ぼっちだった頃の記憶がないからだ。




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