大地主と大魔女の娘
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 扉の前で茶器をのせたワゴンを押した娘が、震えながら立っていた。


「だってさ。聞いた? ヒドイよねぇ、フルル?」

 やあ、まちくたびれたよ。

 咽喉が渇いたからお茶を早くね?

 スレンが手招きしながら、娘に命じるのを忌々しい思いで聞く。


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「は、い」

 答える娘は声までが震えていた。

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