女子の失敗
「お風呂じゃんけんじゃんけんほーいっっ!!」
…あっという間に夜だった。
一泊二日のコテージ宿泊は滞りなく進み、あっという間に夜になっていた。
就活が始まったらゆっくり集まれねーし!とかなんとか言って、夏休み前に提案された、山奥のコテージ。
同じ学部の仲良しメンバーで、遊び納めの夏旅行。
計画は、まず定番のバーベキューに始まり。あとは川原で遊んで、花火して。
終わった頃には、みんなお揃いの、煙と汗と土の混じった香り。
じゃんけんで勝った人からお風呂に入ろう。
コテージに戻ってすぐそう決めて、テンション高く声を揃えて、じゃんけんほいっ。
みんなパーを出して。ひとりだけチョキで。
「おっしゃ、一番風呂~。」
一番に抜けたのは、アイツ…元岡だった。
夜はこれから。そんな、寝る気配を一向に感じさせない空気。
元岡はお風呂へ。あたしは歯を磨きに、洗面所へ。その他のみんなは、リビングでトランプの大富豪をしている。
あたしが歯磨きしている間に、回転早くどうやらもう二回戦目。
大貧民は良いのを二枚、大富豪にあげなきゃいけないとかいうルールに、え~!?とか、よっしゃ~!!て声が飛び交っている。