花
あなたは そんな私に、続けて色々な話を してくれた。
″一緒に居たい″という私の言葉に対しての答えは
教えてくれなかった けれど…。
…でも やっぱり、それでも あなたが色々 話してくれる方が嬉しかったから、
私は あなたの話を ずっと、聴いていた。
そんな時、
あなたは私が聴きたくなかった話を、ついに し始めた…。
「…それから…
これは今 あんたと話してて気付いたんだけど…、
今日、色んな人に あんま気付かれてないのはさ、
多分だけど、もう ほとんど″俺″が残ってない所為かも、しれない」
「…え?」
「…視えてないんだと思うよ、俺の事」
「視えてない…?
…どうして?」
「…さぁ~…。
でも それは多分…もうすぐ、消えるからじゃね?笑」
……あなたの笑顔が、…痛い。
でも すぐに、大変な事に気付いた。
―やっぱり あなたは、″消える道″を選んでしまったのだ と…。
「…色々 迷ってたけど…、
昨日、決めたから。
そしたら、昨日の今日でしょ?
さっき あんたに訊かれた時は″分かんない″って言ったけど…
よく考えたら、
実は もう みんなには…視えてない気が、する。
…今 喋ってる俺も、風前の灯火って感じ…かな 笑」
「……」
「…って、
そんな顔すんなよ 笑」
……どうして あなたは そんな風に微笑うの…?
本当に もう、吹っ切れてしまった?
本当に、
私も深谷くんも…何もかもを、置いて行くつもりなのだろうか…。