花
「…ねぇ、宗谷くん?」
「何ー?」
「…色々…、話してくれて、ありがとう」
「え?」
そう言うと あなたは少し不思議そうな、顔をした。
私と あなたは正反対の性格だから、
あなたには何が″ありがとう″なのか、分からないんだろうな…。
でも そんな顔は一瞬で、すぐに優しく笑って、
私の目を真っ直ぐに、見つめてくれた。
「どー致しまして 笑」
「……宗谷くん?」
「何?」
「最後に もう1個だけ、お願いして…いい?」
「またー?笑
…うん まぁ、いいけどさ」
「……宗谷くんが もし、居なくなる時は…、
………私も、連れてって」
「……は…?」
あなたは いよいよ本格的に驚いたようで、
私の目を見つめたまま、固まった。
私は、あなたと話している間、
ずっと考えていた事を、話した。
「私の幸せ、はね…
宗谷くんの居なくなった世界に残されて生きて行く事じゃ、ない。
宗谷くんが居ない世界に生きてても、
…私は、幸せ じゃない」
「………」
そう言うと、
あなたの瞳が少し揺らいだ…ように見えた。
…そう、
この言葉で少しでも迷って?
それで少しでも…
思い止まって?
だって あなたは、
自分の幸せと人の幸せ だったら、
絶対に人の幸せを考える人だから……。