花
彼のスイッチが何処に あるのかは、分からない。
だから…もしかしたら、音楽室に来るかも しれないし、
また何事も無かったかの ように笑ってくれるかも、しれない。
しかし そう考えても、
拒絶された場合の恐怖の方が上回り、
和は前とは逆に、二人きりに なる場面を避けた。
…好きだから、嫌われるのが怖い。
好きだから、貴史には笑っていて、欲しい。
その為には、自分が話し掛けないのが一番だと、和は思った。
自分が話し掛けなければ、
貴史は いつもと同じように、
クラスメイトと、笑って居てくれる…。