「で あの時…

蓮 先輩が初めて この中庭に来た時…、


あれはね、

偶然じゃなくて…その前に蓮 先輩と話してたの。


和ちゃんも そろそろ満くんの事 忘れても良い頃だから…

って言うか、忘れないと和ちゃんが辛いだろうから、

私が和ちゃんに話すって言って…。


満くんの事 忘れて新しい恋をした方が良いんじゃないか って、

それとなく和ちゃんに話して みるから って

蓮 先輩にメールしたんだ。




私は、

和ちゃんが そこから徐々に立ち直って行ければ良いなって思ってたんだけど…、

先輩 気が早くって 笑


次の日に早速 来ちゃったでしょ?


私も あの日まで、てっきり和ちゃんは満くんの事 好きだって思ってたから…

しかも、まさか宗谷くんを好きに なってた なんて思っても みなくて、

″蓮 先輩、ホント タイミング悪いな″って、思ったんだけど 笑




…でも、前にも言ったけど、

私、和ちゃんに宗谷くんは お勧め できない って思ってたから…、

和ちゃんが宗谷くんを好きって知っても、応援できなくて。


だから このまま蓮 先輩に頑張って貰って、

和ちゃんも蓮 先輩の優しさ とかに ほだされて(笑)、

二人が くっつけば いいのに って思ってたんだ…」




時々 笑いを交えながら、凛は そう語った。


そう言えば、

凛は あの時も″宗谷くんは やめた方が いい″と言っていて、

和は思わず その理由が気になって しまったが、

まだ凛から直接 聞く気には なれず、

そのまま黙って、凛の次の言葉を待った。






「…だからね、

蓮 先輩が和ちゃんの側に居られない って言って来た時、

何が あったかは 聞けなかったけど、

和ちゃん絡みだと思って…。


勘だけど、

和ちゃんが宗谷くんの事 好きだ とか、

そういう事を知っちゃったんじゃ ないか って、思ったんだ」




「…うん」





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