白いジャージ9 ~最終章~






「なぁ、考えてみ。高校の先生なんですか?教科は?って聞かれて、はい体育です!って真面目に答える男ってどうよ??何だと思う?って聞くくらい普通だと思わない?俺が思うに、旦那さんは人から好かれるタイプじゃん?先生してるくらいだから、人と話すのも得意だろ。だから、その場その場を楽しむ力をちゃんと持ってるんだよ」





豪太は、腕組みをしながら真剣に話してくれた。




運ばれてきたオムライスに手をつけずに、私の目をじっと見て話してくれた。







「旦那さんはそういう場所が嫌いっていつも言ってんだろ?それは嘘じゃない。俺だって、キャバクラとか興味ないけど、無理やり連れて行かれるってこともある。その時に、つまんない顔して座ってるなんて、もったいなくない?好きじゃなくても、せっかくお金払って行ってんだから、その時間を楽しもうって思うのは社会人として立派なことだと俺は思う」




豪太の言っていることがものすごくよくわかって、わかりすぎて、自分が恥ずかしくなる。




そうだ、そうだよね。




先生は、周りの雰囲気をいつも気遣う人だもん。



その場を盛り上げることなんて簡単。





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