白いジャージ9 ~最終章~
「気持ちはわかるよ。想像するのと、実際に自分の耳で聞いてしまうのとでは違うから。俺だって、嫉妬はしないタイプだけど、男と仲良く話している声を聞いちゃうと、気分は良くない。だから、お前のショックはわからなくもない」
「ありがとう。田村さんに聞いてもらえてすごく楽になった」
「豪太で良いよ。どうせいつも豪太って呼んでんだろ?」
豪太は、ニカっと笑って、オムライスをほお張った。
「じゃあ、豪太……本当にありがとう」
「いやいや。お前が俺に助けを求めるなんて珍しいから」
私達は、美味しいオムライスを黙々と食べた。
食べ終わった豪太が、天井を見つめた。