白いジャージ9 ~最終章~
お義母さんの入っている奥のお風呂へと向かう。
少しぬるめの大きなお風呂だった。
窓の外を見つめる。
ライトアップされた木々がとても綺麗だった。
「一緒にいいですか?」
と声をかけて、お義母さんの隣にちょこんと座る。
「一緒にお風呂なんてなんだか本当の娘のようね」
お義母さんは窓の外を見つめたまま、そう言ってくれた。
「お義母さん、体調の方はどうですか?」
「ええ。大丈夫よ。この歳になるとねぇ。もうあちこちにいろいろ出てくるのよ」
大きく息を吐いた後に、今度は大きく息を吸うお義母さん。
そして、にっこりと微笑んで私の方を見た。
「いろいろごめんね。直ちゃんを悩ませちゃったわね。悪い母親だわ」
とても穏やかな表情だった。
私は何も返事ができないまま、お義母さんの顔を見ていた。