白いジャージ9 ~最終章~
「ただいまぁ~」
いつもより少し早く帰宅した先生。
「直~!これ、おみやげ」
とコンビニの袋を私に渡した。
そして、手を洗いに洗面所へ。
何だろう?と思って、中を見てみる。
「あーーー!!」
プリン。
ただのプリン。
でも、特別なプリン。
「先生、これ!!」
私は興奮しながら先生の背中を叩く。
「お、覚えてたかぁ??」
先生は鏡越しにニヤリと笑う。
それは、私と先生がドライブしたあの夜に食べたプリンだった。
「間接キスしたんだよな~!俺と矢沢が。ふふふ」
「そうそう。1つのスプーンで1つのプリンを食べたんだよね」
懐かしくて涙が出そうだった。
そして、何よりも私と同じことを考えていてくれたことが嬉しかった。
私がやきそばパンを買った気持ちと、きっと同じ。
先生も、あの頃の気持ちに戻ろうって思ったんだよね。