白いジャージ9 ~最終章~
「キャバクラにいた時、俺、直のことばっかり考えてたんだ。早く直に話したいってそればかり考えてた。俺の大学時代の話って、あんまりしたことなかったなって思ってさ」
「そうだね。うん。あんまり聞いたことなかったかもしれない。あのユニフォーム、昨日言えなかったんだけど、今度着てみて欲しいなぁ」
昨日はそんな余裕がなかった。
私らしくなかったね。
「コスプレかぁ?」
「似合うだろうなぁ」
「短パンが短すぎて恥ずかしいよ」
それから、先生は昨日の出来事を細かく全部話してくれた。
私は、奥さん失格だった。
先生は、大学時代に分かり合うことができなかった部員の人と、真剣に話ができたんだと言っていた。
今だから話せることがお互いにあって、その人と話したくて仕方なくキャバクラに行ったんだって。