白いジャージ9 ~最終章~
「実はね、ちょっとだけあなたにやきもちをやいていたのかもしれない。自分でもよくわからないんだけど」
お義母さんが私にやきもちを?
私はびっくりして、目を大きく開いてお義母さんを見た。
「そんなびっくりした顔しないでよ。うふふ」
「ごめんなさい。ちょっとびっくりしちゃって」
「私は、欲張りなのね。和人にこんなかわいい奥さんがいるっていうのにそれだけで満足できないなんて。そんなに和人に依存していたつもりはないのに、自分の体調が悪くなると、寂しくなってしまった。直ちゃんにだけじゃなく、和人にも嫉妬していたのかもしれない」
お母さんはまた窓の外の木々を見つめた。
「もっと頼って欲しい。もっと私に目を向けて欲しいって思っていたのは確かなの。直ちゃんを独り占めしている和人がうらやましかったりもしたしね」
正直に話してくれているのがわかる。
瞳の奥がとても綺麗だった。