白いジャージ9 ~最終章~
懐かしい坂道をゆっくりと歩く。
何度も何度もこの道を歩いて、先生を想っていたね。
彼女になって、妻になって、こうしてまたこの道を歩くと、気持ちが違う。
この場所を忘れないように生きていこう。
そう思う。
ここが原点。
私と先生の始まりの場所だもんね。
秋の涼しい風に吹かれながら、空を見上げていると、大好きな声が聞こえた。
「あっちでスーパーボールすくいやるから来てね~」
と優しく子供達に声をかけるパンダちゃん発見!!
「あのぉ~」
と近づいてみると
「うわ!誰かと思った。直、すっげー暑いんだけど」
かわいいパンダちゃんが、私の腕を掴む。
「だめだよ。今はパンダなんだから」
と私が言うと、先生パンダは、素直に
「は~い」と返事をした。