白いジャージ9 ~最終章~
高校1年の私
―高校1年の私―
◆◆◆
ミーンミンと鳴き続けるセミの声を聞きながら、歩く。
向かう先は、プール。
私、矢沢直。
高校1年生。
“欠席の用紙、あとでちゃんと持って来い”
そう言ったのは、保健体育の先生。
新垣和人。
私の大好きな人。
体調が悪くてプールを見学した私に、“顔色悪いぞ、大丈夫かぁ?”と声をかけてくれた。
そんな先生が大好きで大好きで。
職員室にも体育教官室にもいなくて。
廊下の窓からやっと見つけた。
水泳の補習をしていた先生。
私はドキドキしながら先生の元へ向かう。