白いジャージ9 ~最終章~






プールサイドに立つ先生が見えた。




フェンス越しに、呼んでみる。






「新垣先生!!」




水の音でかき消される。





届かない私の声。



この想いと同じ。




先生に、この“好き”は届かない。







私は、こっそり、先生の背中を見つめた。







鍛えられた体。




かっこいい。



大好き。





あ、笑ったぁ。



笑った時の顔も好き。



笑った時に少し高くなる声も好き。







私はしばらくその場所から先生を見つめていた。





こっそり覗くなんて、エッチだよね、私。




でも、こんな機会めったにない。




いつもは恥ずかしくて、目をそらしてしまうから。







< 132 / 304 >

この作品をシェア

pagetop