白いジャージ9 ~最終章~
「じゃ、洗ってくるよ。じゃあな」
先生は、はちまきを外し、私に渡した。
「これ、いいの?」
「やるよ。欲しいだろぉ?」
ニヤリと笑った先生に、思わず抱きついてしまう。
「俺の匂いつき~!」
先生は眩しいくらいの笑顔をくれた。
「ありがとう!!」
「じゃ~、またあとで」
その後、先生の周りに私達の同級生のみんなが集まっていた。
そこには、荒木さんの姿もあった。
荒木さんは、先生に何か話しかけた後、輪から離れた。
荒木さんはどんな想いで、今日来たんだろう。
私が荒木さんの立場だったかもしれないんだ。
もし私が荒木さんだったら、今どんな気持ちなんだろう。
見上げた空には、小さないくつもの雲が浮かんでいた。
薄いブルーの空が眩しかった。