白いジャージ9 ~最終章~
「先生以上に好きな人なんてできないと思ってた。でも、私を好きになってくれた人がいた。ゆっくりゆっくり時間はかかったけど、その人のこと好きになれた。先生のことを忘れさせてくれるんじゃなくて、先生を好きな私を受け入れてくれたの。だから・・・・・・結婚しようと思った」
「そうなんだ。そんな素敵な人に出会えたんだね」
「うん。待たせちゃったけど、これからは私が幸せにしてあげようって思ってる」
荒木さんは指輪をじっと見つめた。
どんな人なんだろう。
荒木さんを受け止めてあげた男性って。
きっと素敵な人なんだろうな。
「今だからもう言っちゃうけど、私は矢沢さんが嫌いだった」
「うん・・・・・・私も苦手だった」
お互いに下を向いた。