白いジャージ9 ~最終章~
「本当にごめんね。3年の時、嫌がらせっぽいことしちゃったし・・・・・・」
「ううん。あの時、荒木さんは気付いていたのかな」
「ハッキリとは、わからなかったけど、ふたりが両思いだってことは何となくわかってた。だから邪魔したかったし、うまくいかなければいいと思った。ごめんね」
荒木さんは目を細くして、優しい表情で笑った。
こんな笑顔、見たことないな。
「好きだったらそう思うのは当たり前だよ。でも、あの時にお互いに気持ちを整理できた気がする。好きだけじゃだめなんだって思った」
みんなにバレるかもしれないと思った時・・・・・・
先生を守りたいと思った。
先生が苦しんだり悩んだりする姿は見たくないと思った。
先生も同じ気持ちだったんだ。
辛かったけど、あの時間があったから私達は結婚できたのかもしれない。