白いジャージ9 ~最終章~





「順調ですよ。ほら、見てください。これが心臓です」





エコーに映った小さな命。




ものすごい速さで心臓が動いていた。





溢れる涙を止めることができなかった。







こんなに小さいのに、心臓がある。





一生懸命生きている。




動いてるんだ。



この子は、私の赤ちゃん。





ずっと会いたかった赤ちゃん。








「大丈夫ですか?これからもっと感動しますよ。手や足が動いたり、指を吸ったりしている姿も見ることができますから」





先生はそう言ってから、私の肩に手を乗せてにっこりと笑った。






小さな小さな命が、お腹の中で生きている。






エコーの写真をくれた。





嬉しくて、嬉しくて、手が震えた。








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