白いジャージ9 ~最終章~
「直、大丈夫か?」
ゆかりと作ったケーキをテーブルに運んでいると先生が声をかけてくれた。
「大丈夫。元気だよ」
「そっか」
腰に手を回す先生。
先生は、毎日私を気遣ってくれて、本当に優しかった。
つわりがキツいのと、ホルモンのバランスが崩れたせいか、イライラしちゃったりもした。
そんな時も先生はいつも優しくて。
「直、手伝うよ」
ゆかりがコップを並べてくれた。
「ノンアルコールのシャンパン、持ってきたから」
と依子がテーブルにシャンパンを置いた。
「今日は、直と先生の、妊娠おめでとうパーティーだね」
ゆかりがそう言うと、みんながおめでとうと言ってくれた。
もう走り回っている虎太郎。
私の赤ちゃんもいつかこんな風になるのかな。