白いジャージ9 ~最終章~
「優しいふたりの子供だったら、いい子ができるな」
親父もお袋も、俺と直の子供をとても楽しみにしている。
その理由はわかってる。
まぁ、誰でも孫は楽しみなんだろうけど、うちの場合は特別……
七緒のことがあるから。
だから、なかなか両親にキツく言い辛いんだけど、直にとってはプレッシャーになるからなるべく言わないで欲しい。
「もういいって。子供のことは」
俺がそう言ったのも聞かずに、お父さんと盛り上がっている親父。
「顔も、どちらに似てもかわいいでしょうしね」
「女の子もいいな」
「男の子だと運動神経が良いでしょうね」
「女の子だったら直ちゃんに似て優しくてかわいいだろうな」
俺を無視して、ふたりは盛り上がっていた。
でも、あまりにも幸せそうな顔をしていたので、俺は何も言わなかった。