白いジャージ9 ~最終章~
夜中に目が覚めることが多くなった。
今日も目覚めて、トイレへ向かう。
いつか、こうして実家でトイレに行った時に先生に会ったっけ。
と思い出しながら歩いていると
「直だぁ」
先生の声がした。
同じタイミングでトイレに行こうとしていたことが嬉しくて、夜中なのに抱き合ってしまった。
「ゆっくり寝るんだぞ。直も赤ちゃんもな」
頭をゆっくりとなでなでしてくれた。
幸せ。
本当に幸せ。
大好きな人との子供がお腹の中にいる。
あと6か月と少し。
この時間を大切に過ごそうと、また心に誓った。