白いジャージ9 ~最終章~





仕事中も体調が悪くなったり、イライラしたりして・・・・・・



自分が自分でなくなってしまったように感じることが増えた。




幸せなはずの妊娠期間なのに。



先生にあんなひどいことを言ってしまった。





先生は誰よりも私のことをわかってくれているし、いつも助けてくれているのに。







「直・・・・・・ごめん。ごめんな。俺が悪かった」






トイレの向こうから先生の低い声が聞こえる。



先生の胸に飛び込みたいのに、できなくて。





「ごめんなさい。私が悪いの」





「いや、違う。今は、直にとっても大変なんだ。今食べたいと思ったものを食べればいいんだっていつも俺は言っていたのに、ごめんな」





先生はドアをトントンとノックした。



私はトントンとノックし返した。





先生、愛してる。


これだけはちゃんと伝わってるよね。






< 205 / 304 >

この作品をシェア

pagetop