白いジャージ9 ~最終章~
新しい愛の巣
―新しい愛の巣―
引越しが終わった。
安定期に入ってからだったので、特に大変なこともなく、順調に終わった。
自由設計の2階建ての家。
住んでいたハイツから歩いて20分くらいの場所。
10軒ほどの家が並んでいて、真ん中に公園もある。
幼稚園や小学校も近く、病院もスーパーもある。
子供を育てるには最適な環境。
白い壁にピンクとオレンジを混ぜたような色の屋根。
外観はシンプル。
ガレージの横に小さな庭を作ってもらった。
「さてと。ハーブティーでも入れましょうか?」
引越し作業が終わった夜の7時。
ダンボールに囲まれた部屋で、先生が私の肩を抱く。
「お疲れ様、直」
「先生もお疲れ様」
ローズヒップのハーブティーを飲みながら、手を握り合う。