白いジャージ9 ~最終章~




「あれ?翼先生は?」




ひとりで来た桃子にそう尋ねると、



「学校で用事があるみたいで、すぐ来ると思う」



と嬉しそうに言った。






プロポーズをしようと思っているんだけど、と翼先生が先生に相談していたのを知っているから、もう安心だよね。



桃子にはまだ内緒なんだけど。




「アイツら、遅いな。ラブホでも行ってんじゃないの?」





真崎君は冗談半分にそう言った。




アイツらというのは・・・・・・





「遅くなりました。ちょっと道に迷ってて」




登場したのは要君。



しばらく会っていない間に、また男らしくなった。



髪が伸びて、耳にかけていた。



雑誌から抜け出たようなオシャレ男子。








「美弥子です。私までお邪魔させてもらってすいません」





ペコペコと頭を下げた彼女。





本当にかわいい。






要君のことが好きで好きで仕方がないって顔に書いてあるような感じ。





昔の私みたい。



要君と目を合わせるたびに、美弥子ちゃんの頬が赤くなる。




恋してるんだな。





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