白いジャージ9 ~最終章~






「あれ?奥さんもしかして、妊娠してる?」





一番派手な女の子が私のお腹をじっと見た。




私は、何も答えられないまま、先生の顔を見た。




先生は、ちょっと困った顔をした後に、髪をいじりながら答えた。






「実は、そうなんだ。まだみんなに話してなかったけど」





先生は、生徒達に話すかどうか迷っていた。



話したい気持ちもあるけど話しにくいと言っていた。



その理由は、クラスの女子の中に先生のことを大好きな子がいるからなんだけど。




今日のメンバーの中にいるかどうかはわからない。






「そんなめでたいこと、どうして黙ってたんだよ、先生」




男子の一人がそう言って、先生の肩を押した。




「すまんな」




先生は赤い顔をしてうつむいた。




先生にもいろいろ考えることがあるんだよね。



人の気持ちを考える先生だから。




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