白いジャージ9 ~最終章~
1時間くらいいろんな話をした。
「頑張って出産してください!!」
「応援してます」
みんなの優しい気持ちがお腹にも届いているよね。
その夜、先生はベランダで頭を抱えながら、明日のホームルームでどう話そうか考えていた。
「考えすぎなくていいと思うよ。先生らしく、サラっと言えば良いと思うよ」
私は、大好きな白いジャージの背中に触れた。
「そうだな。ありがとう」
振り向いた先生の表情が、何とも言えず好きだった。
「今日は嬉しかった。先生の生徒さん達みんな、最高だね」
「だろぉ?今年のクラスはまとまってるし、いい感じなんだ」
私と先生は、また一歩前に進めた気がした。