白いジャージ9 ~最終章~
眠る前に、私は宝物箱に手を伸ばした。
先生からもらった大事なものがたくさん入っている箱。
その中に、高校時代の携帯電話があった。
「電源入らないかなぁ?」
「どうだろう」
充電してから電源を入れる。
「入った!!」
しかも、待受画面は、先生だった。
白いジャージを着た先生。
ゆかりが撮ってくれた授業中の横顔。
「メール、読み返したかったの。それと、留守電」
ずっと読み返したいと思っていた。
今日、生徒のみんなと話していて、今日どうしても読みたくなった。
あの頃に戻りたくなった。