白いジャージ9 ~最終章~
「直、やっぱり俺と直は運命の赤い糸で結ばれてんだな」
先生は涙目でそう言うと、私の耳を軽く噛んだ。
「あ、懐かしい」
「ふふ。お前の弱点~!」
夜景を見ている時だったよね。
エッチな先生も大好きだった。
「戻れるなら、俺は卒業するまで絶対に手を出さない。俺の後悔だな」
遠い目をした先生は、ため息をついた後に
「でも、我慢できなかったんだ」
と笑った。
「あの頃があるから今がある。だから、後悔しないでね、先生」
「そうだな。全部、大事な思い出だもんな」
ぎゅっと手を繋ぎながら、眠った。
夢を見た。
高校時代の。
先生も同じようにあの頃の夢を見たんだと話してくれた。