白いジャージ9 ~最終章~
「おはよう!!直!」
私の椅子に沙織が座っていた。
「おはよう!!」
「今日で最後だね。今日のランチの予約しに来たの。私と食べてくれる?」
はにかんだ沙織の手をぎゅっと握った。
「もちろん!!沙織と食べる!!」
この会社で出会えた沙織。
いつも明るくて元気な沙織だけど、悩みを抱えていた。
妹さんが家庭内暴力と非行で、沙織は追い詰められていた。
その話を聞いてから、沙織とより仲良くなれた気がする。
私もお姉ちゃんのことで辛かった。
でも、聞いてくれる人がいた。
だから、乗り越えられたんだと思う。