白いジャージ9 ~最終章~
「直がいなかったら私、会社辞めてたと思うんだぁ」
沙織は、アイスコーヒーを飲みながら、遠い目をした。
「直がいたから頑張ろうって思えた。直も仕事大変な時あったし、上司に嫌味言われて泣いてたこともあったじゃん?直がいたから、今があるんだよ」
「そんなこと言われると泣いちゃうよ。私だって、沙織がいたから、頑張れたんだよ」
目に涙を浮かべながら、見つめ合う。
「大野さんとも付き合えて良かったね」
「直がいたから頑張れたんだ」
「沙織が頑張ったから、大野さんの気持ちを動かせたんだよね。本当にすごい!!」
大野さんは、私のことが好きだった。
「頑張って良かった!最近、超優しいんだよ~」
沙織は、大野さんの話をする時、とても幸せそうな顔をする。
ちょっとニヤけたその顔が好き。
「今日の送別会も、張り切ってたし、楽しみにしていてね」