白いジャージ9 ~最終章~
広い芝生が広がる公園。
真ん中に噴水があって、その音が心地いい。
「噴水、懐かしいだろ?」
先生は、噴水を指差して、かっこよく笑った。
高校の中庭の噴水によく似ていた。
「先生、噴水の前でよく座ってたもんね」
「そうそう。癒されるんだよな。それに、あそこにいると生徒が寄って来てくれて、いろんな話ができる。今でもよく座ってるよ」
廊下の窓からこっそり見つめていた。
先生のこと。
あ、先生だぁ~って。
近くに行きたいのに行けなくて、遠い存在だったね。
それなのに、今は隣にいる。
人生って何が起こるかわからない。