白いジャージ9 ~最終章~
俺達の未来 【先生目線】
―俺達の未来― 【先生目線】
名前が決まった。
俺と直の好きなもの。
空。
直が好きだったから、俺も好きになった。
俺は、本当に直が好きだな。
直の好きなものは俺も好き。
「直、お腹張ってるのか?」
ソファでくつろいでいると、直がお腹に手を当てていた。
最近、よく張るんだと言っていた。
俺は男だから、全部を理解してやることはできない。
でも、できる限り同じ気持ちでいたい。
直の不安を、少しでも減らしてやりたいと思う。
「ちょっと、ガチガチになってる」
俺は直のお腹に手を当てた。
母親はすごいと思う。
考えられないくらい、お腹が硬かった。
「え?こんなに硬くなるのか?」
すぐにでも病院に行くべきじゃないのか、と思うくらいに硬くて・・・・・・
「うん。臨月になるとよくあるんだって。すぐおさまるから大丈夫」
直はもう母になっていた。
深呼吸をしながら、お腹の中の空に話しかけていた。
しばらくすると張りがおさまる。